→ 放射線と放射能
→ 光子反応断面積
光子反応断面積は、ある距離を光子が通過する時の反応確率にです。
簡単に想像するために1cm角のほとんど中空の立方体(角砂糖)*1を思い浮かべましょう。
この一面に万遍無く細い針でつつくとしましょう。
もし、なにかがあれば、手ごたえがあるはずです。
100回に一回手ごたえがあれば、反応断面積 1/100cm2となります。
逆に針の太さが1/100cm2で中空の立方体の中の物質が無限小一点の場合も同じく*2
1/100の確率が得られるでしょう。
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光の反応にも同じような、考え方が適用でき、中空の立方体に原子一個を入れて、光子
で反応を調べ、この確率から原子1個の断面積を求めることができるのです。
実測の出来ない小さなものの大きさはこの様にして推測できます。
大きさの目安
原子核の大きさ R=r0A1/3
r0≒1.2X10-13cm
原子核の断面積 ≒10-26cm2 .....A=1として
水素原子の光子反応断面積による大きさの推測
エネルギーの低いγ(X)線≒10-23cm2 .....*3
エネルギーの高いγ線 ≒10-25cm2
*1 実際には単位立体角(1cmから1cm2を見込む立体角)あたりとして定義されている。
複数の原子を対象とするとき、奥行きは問題にする必要がないが、
奥行きに含まれる原子の個数が必要となる。
*2 一つの光子に注目して、考えるときはこの考え方のほうが便利、
光の太さを反応断面積としてそのパス上に幾つの原子があるか数えれば反応の確率が得られる。
*3 光子エネルギーが低くなると通常の反射(レイリ散乱)が多くなる。
光子エネルギーが低くなると物質透過性が低り、断面積は大きくなる。