放射能

放射能をもつ核いつ崩壊するかは偶然現象のため、 単位時間に崩壊(dN/dt)する確率は対象とする原子の数(N)に比例する。
dN/dt=-λN
ここでλは、崩壊定数(decay constant) 上記を解いて
N=N0e-λt
を得る
従って、
-dN/dt=λN=λN0e-λt
となる。
単位時間に崩壊する量 -dN/dt が放射能であり、 毎秒1個の崩壊があるとき1ベックレル(Bq)で表す。

N=1/2N0になる時間Tを半減期という
0.5=ee-λT であるから、
半減期 T=log(0.5)/-λ=0.693147/λ
となる。
また、平均寿命 τ=1/λ=1.44T で表される。


α崩壊

原子核がα粒子(高速のヘリュウム核)を放出して崩壊するものをα崩壊という。
α粒子は線スペクトルである。



β崩壊

原子核に電子が出入りする現象ものをβ崩壊という。
もともと原子核には電子がないので実際は
n→p+e- 陰電子崩壊
p→n+e++ν 陰電子崩壊
p+e-→n+ν 軌道電子捕獲
の現象である。 ここで νは中性微子(neutrino)である。
β崩壊で放出される電子は、連続スペクトルでEmaxより低いエネルギー 電子が放出されたときは νに残りのエネルギーが付与されている。

γ線放射

α崩壊,β崩壊,核反応で生成された残留核は、しばしば励起状態にある。 励起状態の核がγ線を放射して、安定状態に移行する。

内部転換(IT)

励起状態の核がγ線を放射するかわりに、軌道電子を放出する現象。 放出された電子のエネルギーは、
E=W-I
でγ線のエネルギーより軌道電子のイオン化エネルギー(I)だけ低いものとなる。 β崩壊の電子線が連続スペクトルなのに対し、 内部転換電子は線スペクトルとなる。

核分裂

例としては
235U+1n → 142Xe + 92Sr+21n
が上げられる。 ここで、1個の中性子(1n)が2個に増えていることに注目すると、 連鎖反応が可能になることが分かる。
核分裂では、水滴がくびてれ二つにわれるのと同様、決った大きさにならない。 丁度半分の原子核にわれる確率は高くなく、 生成核はここをはさんで二つの山をもつ形に分布する。
質量数
核分裂は大きなエネルギーが得られ原子力発電に用いられている。

核融合

二つの軽い核が結合(融合)して重い核が生成される場合、大きなエネルギが得られる。
2H+2H→3He+n+3.2Mev
2H+2H→3H+1H+4.0Mev
3H+2H→4He+n+17.58Mev
この巨大エネルギーは太陽のエネルギー源と考えられている。 まだ、このエネルギーを平和的に利用可能にするにはいたっていない。
放射線の知識 自然放射線 放射能 放射線・放射能の単位 放射線の人体影響
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